地星社のブログ

社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する宮城の非営利組織、地星社のブログです。

助成金の審査とルーブリック評価

 先日、ある教育系のNPOが開催した委員会にオブザーバーとして参加させていただきました。その会議の中で、委員の方から研修での評価の方法について「ルーブリック評価」を取り入れてはどうかという提案がありました。私も不勉強で、ルーブリック評価という言葉を知らなかったので、インターネットで調べてみました。

 Wikipediaだとこんな説明です。「ルーブリック (Rubric) とは、学習到達度を示す評価基準を観点と尺度からなる表として示したものである。主に、パフォーマンス課題を評価するために使われる。」

 これだけだとよくわからないですね。実際の例を見た方が理解しやすいと思います。リンク先に例があるのでご覧ください。この例は、小学5年生の国語の授業でのある単元について取り上げています。「筆者の考えに対する自分の考えをまとめる」「自分の身の回りにある環境問題について調べる」などの項目ごとに、S、A、B、Cの4段階の評価があり、どのくらいの水準に達していればその評価に当てはまるかが文章で示されています。

 

www.justsystems.com

 

 ルーブリック評価は、教育評価の方法として使われているもののようですが、教育以外の分野でもこのような評価の方法はあります。なにしろ、私が助成プログラムの事務局スタッフをしていたとき、まさに助成審査の評価基準としてこのような評価表があったのです。

 そんなことを思い出して、当時の評価基準表がネット上で見られないかと探したところ、残念なことにせんだい・みやぎNPOセンターのホームページからは昔の助成プログラムに関するコンテンツは見れませんでした。めげずに何かないものかと検索したら、助成プログラムの事務局ブログが奇跡的に残っていて、評価基準表も一部ですがアップされていました。

 リンク先は2007年度のろうきん地域貢献ファンドの評価基準についてのページです。PDFで評価基準表を見ることができます。地域貢献性、必要性、参加性、実現性、発展性の5つの項目について、それぞれ5段階で評価の水準が示されています。当時は私もまだ助成金の担当ではありませんでしたので、ブログの記事を書いたのは別の方ですね。

 

blog.canpan.info

 

 このように評価基準が明確だと、申請書を書く側もポイントがわかりやすいし、審査する側も採点しやすいでしょう。また、なぜこの評価なのかという疑問が出たときに、説明もしやすいと思います。

 私も助成審査の現場は、せんだい・みやぎNPOセンターにいたときしか経験したことがありません。そのため、こうしたルーブリック評価が助成審査の方法として一般的なのかどうかはわかりませんが、これを読んだ方には何かの参考にしていただければ幸いです。

 今思えば、せんだい・みやぎNPOセンターでやっていた助成プログラムは、どこの団体が申請して、どこの団体が採択されたか、さらに採択された団体は何点だったかまで公表していたので、助成する側の情報公開度もかなり高かったです。そこまでやる助成プログラムもそんなにないですよね。(布田)