地星社のブログ

社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する宮城の非営利組織、地星社のブログです。

あなたも始めませんか、トレイル! スタッフが優しく丁寧にサポートします!!

 みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンターは、2019年にオープンした『みちのく潮風トレイル』の拠点施設。ハイカーのサポートやトレイルに関する情報発信、各種イベントを行うほか、地域の人との交流の場にもなっています。

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インタビューに答えてくださった板橋さん

■取材先:板橋真美さん(みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター スタッフ)
■取材日:2020年11月23日
■取材・文:木立 芳行
■団体概要:
 団体名 みちのく潮風トレイル 名取トレイルセンター
 所在地 名取市閖上5丁目300番地31街区1画地

『みちのく潮風トレイル』とは

 『みちのく潮風トレイル』は、東日本大震災で被害を受けた東北沿岸部の復興に役立てようと、環境省が青森県八戸市から福島県相馬市まで全長1,000km超えにわたり整備したロングトレイルです。

 名取トレイルセンタースタッフの板橋真美さんは「トレイルには、登山とは違う感動があります。長い距離を歩けば歩くほど思い出が雪だるま式に増えるんです!」と熱っぽく語ってくださいました。

 「親切なおじさんに声を掛けられ、そのまま家に連れて行ってもらいコタツに入れてもらいました。コタツの温かさはもちろん、人の温かさに胸がジーンとして涙が出ました」と話すのは、2ヶ月かけて全ルートを踏破した板谷学さん。板橋さんと同じ名取トレイルセンタースタッフです。

 「トレイルを始めてみたいけど、何を準備すればいいの? ルートはどうなっているの?」と、初心者は戸惑うこともあると思いますが、大丈夫! 名取トレイルセンターは、初心者の疑問に優しく丁寧に答えてくれます。途中、交通機関を利用してOKだし、「セクションハイク」というルートの一部分を歩くハイクもあります。人それぞれ、体力や自分の都合にあった楽しみ方ができるそうです。

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名取トレイルセンターにあった写真をパチリ!
 お茶目な一面もある板谷さん

『みちのく潮風トレイル』誕生秘話

 『みちのく潮風トレイル』を語る上で外せないのが、故・加藤則芳さん。加藤さんは、日本のロングトレイルの第一人者で、生前、東北太平洋沿岸にロングトレイルのルートを設定することを環境省に強く提唱していました。震災復興の取り組みとして環境省がその提案を実現化することになりましたが、病気のため2013年に他界。その意志を継いだ環境省の職員が地域の方々に協力を求め、ようやく完成したのが『みちのく潮風トレイル』です。名取トレイルセンターには「加藤則芳コーナー」があり、愛用していたバックパックや著書などが展示されています。誕生秘話に触れると、さらに歩いてみたくなるかもしれません。

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「加藤則芳コーナー」 今にも本人が現れそう

“トレイルエンジェル”が人をつなぐ

 『みちのく潮風トレイル』のルートは、新しく作った道ではなく、既存の道をつないで設定されました。その中には地元の人が生活に使っている道もあります。だから、地元の人との出会いがあり、交流も生まれるのです。

 トレイルを歩くと、地元の人たちの温かいもてなしに出会うことがあります。アメリカのロングトレイルでは、ギンギンに冷えたコーラが置いてある。テントが張られて、バーベキューが準備されている。こんな風にハイカーをもてなす地元の人たちを、尊敬の念を込めて「トレイルエンジェル」と呼ぶそうです。みちのく潮風トレイルにも、そのようなトレイルエンジェルが各地に生まれているそうです。

 「私たちスタッフも“エンジェル”の一人のつもりで、ハイカーのみなさんにトレイルを楽しんでもらいたいと思っています。」と板橋さん。

 「ようやくつながったこの『みちのく潮風トレイル』が、次の世代も、また次の世代も、100年後も続くように、地域の人たちの力を借りながら守り続けていくのが私たちの夢であり使命です」と力強く語ってくださいました。

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おしゃれで広々とした室内は開放感たっぷり 

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名取トレイルセンター 新しくとても綺麗です