地星社では、助成金情報を一覧にまとめて提供していたこともあって、助成金に対する相談や問合せを受けることもしばしばあります。よく訊かれるのは、「何かいい助成金はありませんか?」という質問です。その団体が実施しようとしている事業にマッチする助成金という意味での「いい助成金」であれば、探すお手伝いをすることはやぶさかではありませんが、「楽して獲得できる助成金」(要件が厳しくない、申請書をつくるのが難しくない、倍率がそれほど高くない、etc.)という意味合いで訊ねられることも少なからずあります。
助成金に関する問合せを受けた場合は、どのような事業で申請しようとしているのか、事業の内容や助成金で賄いたい費用についてお伺いします。そうすると、取り組もうとしている社会的課題に対して、その事業で本当に効果があるのか、第三者の視点で見ると疑問のあるケースも出てきます。さらに、そもそもの社会的課題の捉え方に問題があることもあります。
そうならないためには、助成金の申請書を書く以前に、団体の事業計画をきちんとつくって、成果目標とそこに至るロジックを明確にしておかなければなりません。また、そうした事業計画をつくるには、取り組む課題に対してしっかりリサーチを行い、課題の状況を客観的に把握しておく必要があるでしょう。
だから、「何かいい助成金はありませんか?」の答えは、「課題についてしっかりリサーチして、それを元に事業計画を立てましょう」となることもあります。そういう意味では、NPOが社会調査をするのもファンドレイズの一手段と言えるかもしれません。(布田)