地星社のブログ

社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する宮城の非営利組織、地星社のブログです。

NPOにとっての社会問題と社会調査

 NPOの役割のひとつとして、社会の中で見過ごされている問題を見出し、解決すべき問題として世の中に訴えかけていくことが重要であるということを以前書きました。こうした、社会の中であまり見えてない問題を可視化していくには、社会調査は有効な方法です。しかし、ここで矛盾が生じやすくなります。NPOがその問題を社会に訴えていく一方で、社会調査の結果には客観性が求められているからです。

 これも前に書いたことですが、人間は自分の意見・考えを支持する情報は積極的に取り入れますが、それ以外の情報はあまり積極的には集めようとはしません。ですから、NPOのような社会運動体が社会問題に取り組み、それを社会に対して訴えていく上では、社会調査をやっても、自らの主張に沿うような結果だけ都合よく取り出してしまう危険性があります。しかも、こうしたことは意図せずに起きてしまいがちです。

 これを避けるためには、NPOと言えども正しい方法論に基づいて社会調査をする必要があります。また、それと合わせてリサーチ・リテラシーを高めることが求められるでしょう。

 社会運動体でありながら、調査結果には客観性が求められるというのはなかなか大変なことです。しっかりした調査をしてその結果を発表したとしても、そもそものところで色眼鏡で見られがちで、調査結果について信頼してもらいにくいということもあります。

 このブログでは、NPOが社会運動体であることと、客観的な調査をすることの両立を果たしていく上で大事なことをこれから少し考えていきたいと思います。それ以外のテーマについてちょくちょく書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。(布田)