「NPOの役割(あるいは成果)は、社会的課題を解決することだ」とはしばしば言われることです。もちろん、NPOが社会的課題に取り組み、その改善・解決を図り、成果を上げていくことは重要ですし、地星社もそれを目指して活動を行っています。一方で、NPOがNPOであることの本質は、もう少し別のところにあるのではないかという気もしています。社会的課題の解決は、営利組織でやってもいいし、また行政の役割でもあります。だから、それはNPOが果たすべき重要な役割の一つではあっても、NPO固有の役割ではありません。
では、NPOだからこその役割は何なのか。NPOとは、ある目的のもとに人が自発的に集まってできた組織です。人が集まり、お互いの力を合わせて何かに取り組む、そのこと自体に価値があるのではないかと思います。しかし、そうした価値はあまり評価されていないようです。われわれはNPOの本質的な価値にもっと目を向ける必要があるのではないでしょうか。
NPO法をつくるときに原動力となったシーズ・市民活動を支える制度をつくる会の松原さんの一連のツイートが、NPOの役割や価値を考える上で参考になるので、ここでご紹介します。NPOの役割については引き続き考えていきたいと思います。(布田)
NPOの役割は、課題解決から、社会的イノベーションを進めるコミュニティを形成することへ移りつつあります。地域や会社といったコミュニティが弱体化し、孤化が進む世界において、人々に不断の「協力できる社会」を提供することがNPOに求められています。それに終わりはありません。松原
— シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 (@NPOWEB) May 23, 2013
人々が「協力できる社会」を作るためには、「成果」は不可欠の燃料。一つの課題解決は、次の課題解決へのステップであり、人々の連帯を強くする。エアポケットを埋めるのではなく、全ての意味を無化しかねない世界で、人々に、共有できる目標を開発提供し、コミュニティの意義を革新続ける。松原
— シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 (@NPOWEB) May 23, 2013
NPOの成果は、目標に向かって進める、希望と能力があるコミュニティを成長させること。NPOの新しい時代の役割は、人々が属すに足り、達成を分かち合い、自己の能力を高められるコミュニティを提供すること。松原
— シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 (@NPOWEB) May 23, 2013
本当のNPOにとっての「社会を変える」とは、課題を解決することではなく、それを通じて、希望と能力のある協力社会(コミュニティ)を構築すること。そのコミュニティが広がることで、人々(=社会)のビジョンと能力が革新されていく。松原
— シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 (@NPOWEB) May 23, 2013