地星社のブログ

社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する宮城の非営利組織、地星社のブログです。

リサーチ・クエスチョンを立てる③—「どうすれば」を「なぜ」に変換する

 NPOが活動を行う場合の問いの立て方は「どうすれば〜できるか?」というパターンになることが多いと思います。

  • どうすれば、障害者が就労できるか?
  • どうすれば、住民主体の地域づくりができるか?
  • どうすれば、二酸化炭素の排出量を減らせるか? など

 「どうすれば〜できるか?」と問うので、その答えは「〜する」となります。原因ではなく、対策が答えとなります。改めて原因を突き詰めるほどのことでなければ、その通り実行してもよいでしょう。

  • どうすれば、障害者が就労できるか? → 障害者の就労訓練をする
  • どうすれば、住民主体の地域づくりができるか? → 住民同士のコミュニケーションを増やす
  • どうすれば、二酸化炭素の排出量を減らせるか? → 市民に啓蒙する など

 しかし、それが本当に実効性のある対策かどうかを確認するには、調査して原因を検証してみるべきです。そのとき、「どうすれば」という問いを「なぜ」に変換します。

  • なぜ、障害者はなかなか就労できないか?
  • なぜ、住民主体の地域づくりができないか?
  • なぜ、二酸化炭素の排出量が減らないか?

 これだと問いとしては大きいですから、問いを場合分けする必要があるでしょう。また、そもそも実態はどうなのかを調べる必要も出てきます。説明の問いから記述の問いにするわけです。

  • なぜ、障害者はなかなか就労できないか? → ◯◯市での障害者の就労状況はどうなっているか、年齢や性別での違いはどうか、障害の種類による違いはどうか、etc.
  • なぜ、住民主体の地域づくりができないか? → ◯◯市の地域づくり政策はどうなっているか、◯◯市の自治会はどのような活動を行っているか、etc.
  • なぜ、二酸化炭素の排出量が減らないか? → 産業別の排出量はどうなっているか、家庭からの排出の用途別内訳はどうなっているか、etc.

 そうして問いを分解して調査すると、意外な答えが見つかるかもしれません。そうすると、もっとピンポイントで効果的な対策をとれる可能性が出てきます。(布田)