地星社のブログ

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課題の見える化のために①―『新QC七つ道具の使い方がよ〜くわかる本』

 QCとは品質管理(Quality Control)のこと。品質管理の手法の中に、QC七つ道具と呼ばれるものと、新QC七つ道具と呼ばれるものがあり、本書は後者の解説本です。

 QC七つ道具はパレート図やヒストグラムなど、主に数値データを扱う手法です。それに対して新QC七つ道具は、言語データを扱う手法になります。いずれも課題の見える化を図って、課題解決につなげていくためのツールで、製造業を中心に使われてきたようです。新QC七つ道具の方は言語データを扱うので、多くのNPOにとってもなじみやすいと思います。

 本書で取り上げられている新QC七つ道具は、以下の七つになります。

  • 親和図法:情報をまとめて集約する
  • 連関図法:問題の構造を明らかにする
  • 系統図法:課題の解決手段を具体化する
  • マトリックス図法:事象と事象の関係性をまとめる
  • アロー・ダイヤグラム法:工程の管理ポイントを明らかにする
  • PDPC法:計画進行上のリスクとその回避策を明らかにする
  • マトリックス・データ解析法:多くの変量のデータを縮小して見やすくする

 最後のマトリックス・データ解析法は、この中で唯一、数値データを扱う手法になっています。

 社会調査との関係で言うと、リサーチ・クエスチョンを立てる際に親和図法や連関図法といった手法が活用できそうです。調査に限らず、NPOが事業を進めていく上でもこれらの手法は使えると思います。本書はそれぞれの手法について、営業販売部門、事務企画部門、設計開発部門、技術製造部門での活用例を示しながら解説しています。初心者にもわかりやすく、読みやすい本です。(布田)

 

図解入門ビジネス新QC七つ道具の使い方がよ~くわかる本 (How‐nual Business Guide Book)

図解入門ビジネス新QC七つ道具の使い方がよ~くわかる本 (How‐nual Business Guide Book)