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地星社のブログ

社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する宮城の非営利組織、地星社のブログです。

クラウドファンディングと布田代表の苦悩に向き合う(副代表理事 真壁さおり)

 2016年9月末、地星社では、「地域の力を引き出す『宮城県 被災地・地域活動団体ガイドブック』発行」にあたり、クラウドファンディングでの寄付ご協力のお願いを開始した。

  初めはほどほどに寄付が集まっていたが、10月5日~10日の5日間、まったく寄付に動きがなかった。先日、その5日間の、そしてその後の布田代表の心の動きをヒアリングしたので可能な範囲でご紹介させていただきたい。

 「あの5日間は特に苦しい状況だった」

 最初に布田代表はそうつぶやいた。

 「このままではまずいという焦りと、結局地星社の評価もそんなものかという失望感があった。そしてその気持ちをフェイスブック上などで表現するかどうか悩んだ。事態を動かすには活動報告だけではだめで、何かしなければならなかったが、心情をそのまま綴れば自分や組織の信頼性も下がると思ったからである。

 しかし、『楽しそうにクラウドファンディングに取り組んでいるね』という声も聞いていて、まわりの見方とのギャップも大きいと感じていた。焦りや失望を感じながらも、それを冷静に見ている自分もいて、一か八かそのときの心情を書き込むことにした(FB友達限定の投稿)。

 すると、その後一日で7万円の寄付があった。だから打ち手としては、いったんは成功である。一方、弱音を吐くようなことでいいのかという叱咤激励や、そもそもプロジェクトの説明がわかりにくいというご批判もいただいた」

 「今回のクラウドファンディングは、布田、地星社を知っている人、被災地の事情を知っている人を主な対象にご協力をお願いしている。一般の不特定多数の人をターゲットに発信しているわけではないし、そこからの寄付はほぼ期待できない。しかし関係者だって、つながっているのは一般の人である。だから、寄付をお願いする事業について、一般の人にも伝わるくらいの分かりやすさ、明快さがないとそもそも情報をシェアしてもらえないことが分かった(分かりやすさが足りなかった)。批判やアドバイスをしてくれた方々には感謝したい」

 「寄付とは本来、一人ひとりに説明してお願いするのが筋。しかし、クラウドファンディングという手法を、そもそも寄付集めのキャンペーン自体を地星社としてはやったことがないので、やってみないとわからないこともあった」

 「中間支援団体でも、寄付集めをちゃんとしないといけない。もちろん中間支援団体とは何なのかを説明することがセットである。応援する気持ちはあるが、でもわからないものにお金は出せない、という方たちもいることに気づいた」

 「改めて実感したのは、地星社として『参加のしくみ』を作ってこなかったということである。今回のような寄付のキャンペーンにということではなくて、普段から活動に関わってくれる人を増やしていくことが大事なのだと再度思った」

 「理事会でも前々から議論しているが、今の『布田ひとり体制』では限界がある。バリエーションに欠けるし、得意不得意もある。より良い組織体制とは何か。組織体制の強化が必要なことにはみんな同意しているが、どういうプロセスでそれをやるかは理事の間でも持っているイメージが違う」

 約1時間、布田代表は切々と、しかし何かが吹っ切れたように話した。副代表として、この「苦悩の5日間」を代表だけの苦悩にしてしまったことを猛省し、しかし一方で、代表の話を聞きながら、下記の問いを繰り返していた。 

①集まったお金の額が団体の価値なのか(そもそも地星社の価値とは何か)。

②お金が集まらなかったらこの事業は行わないのか。

 

 2012年の夏頃だっただろうか、布田さんから「新しく団体を立ち上げるので副代表になってほしい」と声をかけられた時、実は内心ちょっと驚いた。前職を退職した経緯や布田さんの性格を知っている私としては、また新たに「中間支援」の団体を立ち上げ、しかも自分が代表になると言い出すことが正直意外だった。

 しかし、布田さんが考える団体の活動原則を聞いて、納得した。

 

1.信頼の原則

  人や組織には、社会を変える力が本来備わっていることを信じ、その力が活かされるよう後押しする。

2.互敬の原則

  人を大事にし、互いに敬い合う関係性を築く。

  

 

 いわゆる「中間支援団体」が、このような活動原則を前面に出しているのを私は見たことがないし、布田さんの性格的なものもあいまって、なにかじんわりとした、しかし「中間支援団体」として、最も大切にすべきことをベースにした活動ができるのではないかと思ったのである。

 歩みは遅く、とても地味な活動になるだろう。でも、地星社という団体名の由来も、「社会をよりよくしようと活動している人や組織は、たとえ世の中に知られていなくても、地上に輝く星ではないか。そうした人や組織を支援し、増やしていくことで、私たちひとりひとりが社会づくりにかかわっていく世の中を実現していきたい」ということなのだから、それでいいのだ。

 布田さんは自分自身を、「自分は求心力にはなりにくい」と分析している。世の中には、求心力の強い団体のリーダーはたくさんいる。それを生かして団体の知名度をあげ、活動のすそ野を広げていく。しかし、地星社は代表自らが言っているとおり、代表の求心力で勝負する団体ではない。では何で勝負するかと言えば、やはりこの2つの活動原則に尽きるのではないかと私は思う。

 だから、そんな地味な団体が、クラウドファンディングという手法で寄付集めをすることにはそもそも迷いがあった。地味なのに加え、「中間支援団体」というのも分かりにくい。そしてやっぱりその迷いは現実のものとなり、先ほどの布田代表の苦悩の5日間につながるのである。

 しかし、今回のクラウドファンディングへの挑戦を通して、上記で代表が切々と語ったとおり、地星社の組織体制や理事の役割、参加のしくみの作り方など、組織のあり方についても深く考える時間をいただいている。私としては、そのこと自体が意義だと思う。それは代表に怒られるからあまり言わない方が良いだろうけれど。

 クラウドファンディング終了まであと1週間。クラウドファンディングと布田代表の苦悩と向き合い、私も副代表としてきちんと役割と責任を果たさなければならないだろう。

 これを読んでくださっているみなさま。日々の暮らしと活動を大切にされながら、こうした寄付をして下さることの大変さを私自身も深く理解しております。そんな中でもし、私どもの今回の、「地域の力を引き出す『宮城県 被災地・地域活動団体ガイドブック』発行」の根底に流れる、2つの原則、「信頼と互敬」に共感をいただけましたら、寄付のご協力をいただければ幸いです。

 これからもみなさまと、地域の未来に向けて一緒に歩んでいけるよう、組織としても努力を続けてまいりたいと思います。長々と読んでくださってありがとうございます。

 

2016年10月16日

副代表理事 真壁 さおり

 

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