地星社のブログ

社会をよりよくする活動を行っている人や組織を支援する宮城の非営利組織、地星社のブログです。

加藤哲夫さんを偲ぶ

 せんだい・みやぎNPOセンターの代表理事だった加藤哲夫さんが亡くなって、8月26日でちょうど5年になります。私も地星社を立ち上げる前、センターの職員として講座の開催や助成プログラムの実施、事務局運営など、加藤さんと一緒に仕事をする中で、多くのことを学ばせていただきました。

 加藤さんは非営利組織のマネジメント専門誌「NPOマネジメント」に毎回コラムを書いていましたが、すでに病床にあった2010年10月号で次のように書いています。

(加藤さんがせんだい・みやぎNPOセンターの仕事の価値をまわりの人に訊ねてみて)

「姿勢として、市民を信じている、市民には問題を解決する力があるということを信じている、そういう思いがひしひしと伝わってくる。心から市民の力を信じているという姿勢が伝わってこない人たちの支援などいらない。市民を、自分たちを信じてくれる人と組織がある、ということが光であり、希望だった」という声があった。指摘されてなるほどである。実は、私は職員に口を酸っぱくして、市民や活動している人たちをリスペクトしろ!と言い続けてきた。(中略)
 私自身は、エイズ問題のときに、日本の市民セクターの力不足に気づいたが、市民に絶望したわけではない。むしろ市民には問題を解決していく力があり、カギを握っているのは市民だという確信を得た上で、それを活かす社会システムと市民のエンパワメントのためにNPOセンターをつくるということを掲げたのだ。私は市民に光を見続けている。

 仕事への姿勢として、加藤さんから受け継ぎたいことはこれに尽きます。

 地星社では、活動における原則を次のように掲げています。

1. 信頼の原則
 人や組織には、社会を変える力が本来備わっていることを信じ、その力が活かされるよう後押しする。

2. 互敬の原則
 人を大事にし、互いに敬い合う関係性を築く。

 地星社が立ち戻る場所は常にここです。われわれもできていないことだらけで、加藤さんにご報告できるような成果もまだないですけれども、少なくともこうした姿勢を忘れることなく仕事にあたりたいと思います。(布田)